[Vol.5] 2005.1.4
NPO法人は、1999年、特定非営利活動促進法などという、
いかにも役人が好きそうなネーミングの法律のもとに生まれました。
これは、非営利活動を行うグループや団体に「法人格」を与えよう
(個人は自然人として人格があり、法人は人と同じように擬制の人格を
与えようとして)と立法化されたんですね。
NPO(NGOも含む)は、公共の利益を求める民間の非営利団体、非政府団体です。
法人格が、あった方が民事上の契約や税務上も近代化されよかろうという考えです。
しかし、NPO法人で無くても非営利活動団体は、たくさんありますね。
たとえばPTA、最近は有限責任中間法人にするところも多いですが。
宗教法人、学校法人、病院(社団法人、医療財団もふくむ)、
ボーイスカウトや日本サッカー協会、町内会、、数に限りがありません。
NPO法人は、法律的な優遇処置を受けられることを想定し施行された制度ですが、
「非営利活動の団体」は、上記以外にもずいぶん昔からありました。
日本では神社仏閣、西洋では教会、
イスラム圏ではモスクですね。
キリスト教会では、収入の一部を自発的に寄付して社会を支えようとします。
また、税制もこれらを後押しするので、篤志家の活発な寄付行為や子どもの
募金活動を自然にはぐくまれてきました。
日本は、「お上」が冨の再分配をしないと良くないと思われたのか、
寄付や募金の文化が根付かず、寄付をしても税額控除や所得控除にならない
場合が多いのです。
NPO法人も収入の5分の1以上が寄付金収入にならない団体は、寄付が税務上控除にならないようにする規定があります。(えらくゆったりした速度で再検討もされています。)
少ない事業費であれば、寄付だけでまかなえますが、岡山のAMDAさんのように災害のたびに救援に出かける医療救援団体は寄付が集まるより前に経費がかさみ、後から穴埋めなどするのがやっとで、基準をクリアできていません。
「救える命があれば、どこまでも」、、というお医者さんや看護師さんたちが苦労しています。
こういう状況は日本の恥です。まちがっているとおもいます。
しかし、助成や委託事業などに頼ると下請け機関のようになってしまうのです。
次回は、近代のNPO/NGO発達史を考えます。
-交-