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誰でもわかる国際理解教育や国連支援活動を中心としたblogです。              提供:資源循環プロジェクト

by fsun_rrp
 
FSUNメルマガVol.7より
なんで複数形なのか?スペシャルオリンピックス】

 知的障害者の価値ある冬のスポーツの祭典が、長野で開催された。

 新井リゾート(新潟県・妙高)で知られる盛田氏など数年前から真剣に取り
組んでこられた。財界人やボランテイア団体なども支援を惜しまず取り組んで
きた。しかしながら、報道機関の調査によれば、日本人の知的障害者に関する
理解は驚くほど低いという。知的障害者に限らず、たぶん障害者全体に対する
理解が低いのだろう。心当たりはある。欧米の区々では、よく障害をもった人
たちを見かける。公共交通機関をはじめとする社会的なインフラの整備が充実
しているおかげであると思うが、障害者を「特別扱いせずに外野に追いやらな
かったからだろう。」と想像している。障害者が気後れすることの無い社会を
実現している。

 



日本では、少子高齢化が叫ばれて久しいが、やっとバリアフリー対策に役所
の重い腰が上がった感じがする。「歳をとれば、誰でも障害をもれなくもつこ
とだろう。」そういう意味では、障害をもつことは、「特別なことではない。」
 脳梗塞などに襲われれば、体の自由を奪われる可能性を誰でももっている。

 小職は、知的障害者や特別老人養護施設を先天的な環境で身近に見てきた。
 知的障害者は、むしろ一般人と違って優れた特性を持っていることがある。
例えば、生活雑器のような陶器を一日に何個も作らなければならないときに健
常者はすぐに飽きたり、根を上げるのに粘り強く作業できたりする。邪推や気
の迷いもなく、休息を義務付けない限り休むことも考えずに一つのことに没頭
していることもある。ある意味、凄みのあるような仕事を何気なくやっていた
りする。彼らは、行政が医学的に劣る体の機能を分類して公共的福祉の実現の
ため、区別して遇してきた。
 彼らは学校や施設から卒業すれば、仲間から切り離されて孤独になりかねな
い。日本で理解が足りないということは、彼らを孤独に追いやってきた歴史が
あるということであろう。行政に頼らずとも、彼らとともに生きる知恵は共有
できよう。行政のように標準的なものさしで考えれば、たりないものの多い彼
らだが、われわれとかわりなく、等しく日本語を解し、誰一人として同じ生き
方をすることの無い「スペシャルパーソン」なのである。

さて、「スペシャルオリンピックス」という複数形名称の理由だが、競技者の
練習や競技会の時、あるいは世界各地での大会の時、彼らにはサポーターが、
いつも傍らにいるから複数形なのだという。まさに至言の極みである。
by fsun_rrp | 2005-03-24 11:25 | メールマガジン
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